コラム

正社員というのは、雇用期間に限定がなく、自発的に退職するか会社が破綻するといった極端な事態が生じない限り、雇用が持続します。一方、契約社員は定められた雇用期間が存在し、その期間の長さは勤務先企業によって変わります。

しかし、契約社員も無期限契約へ移行できる場合があります。それは契約が5年以上継続されたときに可能となります。その際に契約社員が自分の勤務先へ申請すれば、無期労働契約に変更されるという制度が存在します。つまり、正社員と同じように、雇用期間の制約がなくなります。ただし、無期契約への転換後の雇用状況は職場により差があり、必ずしも正社員と同じ条件とはならない可能性もあります。無期契約への変更がもたらす具体的な影響については、必ず確認することが重要です。

福利厚生には大きく分けて2つのカテゴリーが存在します。一つ目は法定福利厚生と称されるもので、これには企業が社会保険料を負担したり、有給休暇を提供したりする事項が含まれます。

二つ目は法定外福利厚生と呼ばれ、それは各企業が独自に設定する制度で、住宅補助やリフレッシュ休暇などがこれに該当します。
法定福利厚生は、雇用形態に関わらず一定の要件を満たす全ての労働者に対して適用されます。それに対して、法定外福利厚生の受給資格は正社員に限られている場合が少なからず存在します。

新入社員の正社員と契約社員の間では、初任給にはそれほど大きな差異は見られないかもしれません。しかし、正社員は昇進や昇給の機会があり、努力次第で給与を増やすことが可能です。一方、契約社員にはそのようなステップアップの機会があまりないため、給与は基本的に大幅に変化しないことが多いです。

また、賞与についても差があります。正社員は一般的に賞与を受け取ることができますが、契約社員の場合は賞与が支給されても額が少ないことがあります。さらに、業績に基づく賞与や決算賞与は契約社員には支給されないことがほとんどです。

退職金制度を導入している企業の正社員であれば、退職時にその支給を受けることが可能です。それに対し、1年や3年といった短期間の雇用でしか働けない契約社員の場合、退職金を得ることはほぼ見込めません。

契約社員は部署の移動が基本的にないため、通常、転勤の必要性は生じません。それに対して、正社員の場合は地域制限のない転勤が存在します。

多くの企業では、従業員が二つの雇用契約を結ぶことを許可していません。そのため、正社員が副業を持つことは一般的に難しいと言えます。

契約社員についても、企業の就業規則で副業が禁止されている場合があります。しかし、正社員に比べると副業が認められていることが多いです。副業を行いたい場合は、事前にそれを会社に報告し、必要な手続きを進めることで副業する契約社員もいるようです。

正社員と契約社員の働き方は異なり、それぞれには利点と欠点が存在します。したがって、一方が他方より優れていると断定するのは困難です。どちらの雇用形態を選ぶべきかは、自身が働く上で何を最優先に置くかによって決定されるべきです。特に女性の場合、結婚や出産により生活スタイルが大きく変わる可能性があるため、将来的にどちらが働きやすいかなどを含めて検討しておくことを推奨します。